パイナップルやバナナなどの、流通量の多い定番品なら気軽に食べることができますが、それとは異なる南国フルーツはそう簡単にスーパーに並ばない上にちょっぴりお高め。
そこで興味津々ではじめた、北国の半日陰ベランダでパッションフルーツを育てちゃおう!という、なんとも無謀な栽培計画。
だいたい、北国の人って南国フルーツを育てようという気持ちにはならないと思うんですよね。
だからこそやってみた!という今回の記事。
どなたかの希望の星となるか・・・それについてはこの先を読み進んでみてください。
苗を取り寄せてみた
パッションフルーツの苗を買おうにも、北国ではどこにも売っているのを見たことがないので、ネットで購入しました。
苗4つで送料込み1900円というお安さに、迷いなくポチっとしたわけです。
発送から2日という超特急での到着に、心ワクワク踊り狂う勢いで段ボールを開けてみましたところ・・・
なんとかなりハードな荷崩れをしており、土は流出しているし枝や葉も折れたりちぎれたりの大惨事でした。これはちゃんと育ってくれるだろうか、という不安を抱えながら1つを地植えにして残りの3つをそれぞれ鉢植えにしました。
※写真は撮っていません
購入から1カ月でぐいぐい動き出す
鉢植えにしていた3つのうち、かなり折れて傷んで到着した苗は残念ながら枯れてしまいました。
ただ、他の苗たちは元気に育ち、地植えの苗もぐんぐんと空を目指し、鉢植えの2つは行燈仕立てをセットしました。
この頃になると、小さな蕾もつきだして「あとは咲くのを待つのみ!」という状態に。
期待はさらに大きくなります。
パッションフルーツは勢いよく育つ
蕾を確認したあとは、ものすごいスピードで成長するパッションフルーツ。
この頃の北国の気温は、25度ほどだったと記憶しています。南国フルーツには低いかな?と、変な心配をしていましたが、様子を見ているとなかなか快適そうに成長をしています。
さらに驚くのはその成長速度で、蕾が膨らみ始めてから5日でパッカーン!と開花しました。
生まれて初めて見るパッションフルーツの花はまさに時計のよう。
トケイソウとはよくいったものですね。
1日花のパッション。人工受粉をする
午前中に開花すると言われているパッションフルーツの花。
1日で閉じてしまうので、チャンスを逃すことなく受粉作業をします。
おしべをぷちっと取り、めしべにぐいっとこすりつけるようにして受粉。
その後2日すると、実となる部分がまぁるくなっているのが確認できました!
これでパッションフルーツの受粉が成功したことがはっきりして、ひと安心することができます。
おそるべし!パッションフルーツの成長速度
パッションフルーツは、苗の時から成長速度が速く驚きの連続でしたが、結実したあともその速度は尋常ではありません。
1日2日・・・と日を追うごとに、その実は大きく大きく成長していき、受粉から1週間でガクから離れるほど大きな実になります。
これまでいろいろな野菜を育ててきましたが、こんなに早い成長をする植物は初めて見たので、「どんだけ大きくなるの?」と若干不安になったのは言うまでもありません。
その後はもう枯れないように水やりをし、大きく茂りすぎた葉を剪定する日々。
意外や意外?パッションフルーツは夏に弱い
夏に弱いと言いましたが、実は高温に非常に弱いと言えます。
北国でも30度を超える酷暑が2カ月ほど続き、蕾がすべて落ちてダメになってしまいました。
残っているのは結実しているもの1つだけ。
苗自体は元気なので、とりあえず花を咲かせようとせずに水やりと剪定に精を出します。
そして、気温は30度を下回るようになると蕾が再びつき出して、一気ににぎやかになりました。
南国フルーツだから、真夏もガンガン実をつけるのかと思っていましたが、実際は全く違いました。
季節が進み収穫へ!さらにパッションは花を咲かせる
北国は、季節が進むのがとっても早いです。
つい数日前までは暑くて暑くてつらかったはずなのに、風が冷たくなって窓を閉めて寝るようになります。
カレンダーはもう10月、気温は最低が1桁、最高でも19度ほど。
そろそろ収穫なんじゃないだろうか?と鉢を覗くと、自然落果したパッションフルーツを発見しました!鉢植えの土の上に落ちていたので、傷がつくこともなくきれいな状態で収穫することができました。
初めての栽培なうえに、北国の半日蔭のベランダでの栽培でたったひとつの実。
とっても嬉しいです。そんな中、パッションフルーツは再び花を咲かせました。
相変わらず派手ないでたちの花でとっても嬉しいのですが、いかんせん季節は秋。
いま受粉させても収穫までの日数は90~120日。どう考えても冬になってしまいます。
鉢植えのまま室内に取り込めばいいのでしょうけれど、パッションフルーツの鉢は大きいので狭い室内ではそれはムリ。さらに、冬場はどうするということまで頭をよぎります。
このまま外で凍らせてみすみす死なせるのか、それとも剪定をして小さくし、室内に取り込むのか。
北国ではこの点が一番ネックだといえます。いろんなことを考えつつ、受粉をしないことを選んだはずなのに、なぜか受粉をしてしまいました。
ああ、根っからのチャレンジャーな自分に「どうすんの?」と自問自答です。
そして、受粉が成功してしまったパッションをその後どうするか、今後の課題にして締めくくりたいと思います。
北国で育てるパッションフルーツのまとめ
結論。育つ! パッションフルーツは高温が苦手で、25度前後だと非常にイキイキとします。
半日陰の北国のベランダでも、グングン成長して収穫までできました。
しかし、北国で育てることのネックは“季節の移り変わりが早い”ことだと実感します。
北国で20度を切るような季節でも、本州以南では25度あたりが長く続きますので、収穫までの期間を保てるのではないでしょうか。
さらにいえば、本州以南は外での越冬も出来る地域があるはず。
北国で南国フルーツを育てて収穫するなら、秋から春にかけて室内に取り込んで成長させられる環境が必須です。ただ、花は非常にゴージャスで美しいですし、受粉から収穫までの楽しさはぜひ味わっていただきたいと思うので、興味ある方はぜひチャレンジしてみてください。